ネットショップ開業に失敗してしまう理由とは?解決策から成功事例まで紹介

「ネットショップ開業したらどんな失敗が起こりやすいの?」

「成功しているショップがどんなことをやっているか知りたい」

ネットショップを開業したものの、うまくいかず失敗してしまったという事例は珍しくありません。

ネットショップ開業の前にあらかじめよく理解しておくことが失敗を防ぎ、成功への近道となります。

この記事ではネットショップ開業で失敗する理由と対策を合わせて紹介します。

ネットショップ開業で失敗してしまう理由とは?

ネットショップ開業によくある失敗は以下の通りです。

  • 集客がうまくいかない
  • 顧客が集まっているのに売上につなげられない
  • 利益率が上がらない
  • 予算が足りなくなった
  • 商品トラブルが多発してしまった

集客がうまくいかない

当たり前ですが、そもそも集客ができなければ、商品は売れません。

また商品を見に来てくれた全員が商品を購入するわけでないので、より多くのお客さまに認知してもらわないと、ネットショップの売上を伸ばすのは難しいです。

一概に集客ができていないと言っても、以下の2つのケースが考えられます。

  • 新規顧客を集めらない
  • リピーターを獲得できていない

この2つの失敗にはさらにいくつかの要因があります。

新規顧客を集められない

新規顧客を獲得できないのは、他ショップとの差別化をはかれていないのが原因の1つです。

他ショップとの差別化をはかれないのは、独自の強みが曖昧になっているからでしょう。

商品力やサービスの質、宣伝、実績、顧客からの評価など、どこかで差別化ができなければ同業種の知名度の高いショップに顧客を奪われてしまいます。

どこを自社の強みとするかは事業計画の段階で決めておきましょう。

リピーターを獲得できていない

リピーターを獲得できないのはSNSを活用していないことや広告をまわせていないなどの理由が考えられます。

広告やSNSの利用まで手が回らないのは予算不足や人手不足が原因でしょう。

広告を利用しての宣伝は費用が必要ですが、SNSは無料でショップの宣伝をすることが可能です。

メルマガの配信、クーポンの配布、最新情報の発信など獲得した新規顧客を飽きさせない施策を定期的に行い、安定したリピーター客を獲得しましょう。

顧客が集まっているのに売上を伸ばせない

顧客が集まっているのに売上を伸ばせないのは以下の2つのケースが考えられます。

  • 購入のしやすい導線ができていない
  • 商品トラブルが多発してしまった

購入のしやすい導線ができていない

商品の発見~購入までの顧客の購買行動がスムーズにできるかどうかはとても重要な要素です。

使いにくい部分、わかりにくい説明などがあった場合は、そこで離脱してしまいます。

顧客が商品を見定めるのにわかりやすい商品情報の配置、購入までの動線がシンプルで簡単であることを押さえておきましょう。

特に購入時の情報入力フォームに進んだが、そこで離脱してしまう人が多い傾向にあります。サイトの離脱率に悩んでいる方、特に初心者で知識の少ない方は、フォームを使いやすくし、ユーザの離脱を防ぐ施策のできるEFOツールを利用してみるのが良いでしょう。

商品トラブルが多発してしまった

ネットショップは実店舗と違い、梱包や発送の業務があります。

商品トラブルが多発することで、その分人件費や経費などもかかるため、結果的に売り上げに響くことになるでしょう。

ネットショップでは特に以下のような商品トラブルが起きやすいです。

▼商品に誤りがあった

カラーやサイズのミス、類似品や注文内容とは無関係の別物を配送してしまうことや、商品自体はあっているが数量を間違えてしまうケースもあります。

注文電話での聞き間違えや運営側同士での伝達ミス、梱包段階でのカウントミスが要因です。

ショップ運営が多忙なときや他の業務と並行しながらだと余計にミスが増えてしまいます。

人手によるミスを減らす場合、各種情報の一括管理や書類作成が可能なシステムを導入するのが有効的でしょう。

▼商品が届かないことがあった

顧客の元へ商品が届かないトラブルが発生した場合、手作業で送り状を作成した時の配送先ミスや、多忙時の梱包作業中や配送中の出荷漏れ、納品書のミスなどがトラブルの要因です。

充分な梱包作業スペースの確保やミスがないかのチェック強化のための業務マニュアルの作成、顧客が入力した情報に手を加えることなく、発送伝票へ転記できるシステムの導入など人的ミスを減らすための対策をしましょう。

利益率が上がらない

利益率とは、販売価格から仕入れ費や梱包・発送費、広告費など、ネットショップの運営に関わる費用を差し引いた割合です。

利益率が上がらない理由はとても単純で、利益率の低い商材を扱っているからでしょう。

実店舗ではレジ袋に詰める程度で済むことが、ネットショップでは受注処理から梱包して発送する手間が掛かるなど、人件費が高くなります。

この手間の違いを安易に考えすぎると忙しいのに全く儲からないネットショップが完成してしまいます。

以下のような商材は一般的に利益率の低いと言われている商材です。

  • 家電製品
  • ブランド化粧品
  • サロン系の美容商材
  • ドリンク(清涼飲料水)など

検討している方はマーケティングや経費削減などに特に気を配る必要があるでしょう。

予算が足りなくなった

上手く予算を抑えて開業できたとしても、以下のようなことが原因で運用中の予算が足りなくなる場合があります

  • 在庫を抱えすぎている
  • 外注費用をかけすぎている
  • 計画以上に予算を使いすぎてしまった

在庫を抱えすぎている

販売機会ロスを防ぐと同時に大量の在庫を抱えてしまい、管理が行き届かなくなるケースがあります。

過剰在庫は以下のような管理費用がかかるため、予算が足りなくなる大きな原因となります。

  • 保管場所(倉庫)の賃借料、光熱費
  • 作業スペース圧迫による効率悪化、人件費
  • 運搬(商品移動)にかかる輸送費、人件費
  • 廃棄のための輸送費、処分費用

過剰在庫になってしまう背景には、在庫管理責任者が不在で在庫の把握や分析ができていないことや再販率の低い返品商品が大量にあることが要因だと考えられます。

在庫管理責任者を明確にし、在庫状況の把握や分析、全体共有などを行いましょう。

そこまで人が回せないという方は、在庫管理システムの導入もおすすめです。

外注費用をかけすぎている

サイト構築や運営の際に利用するツールなど、外注費用をかけすぎると、後々予算が足りなくなるケースがあります。

個人でネットショップを立ち上げ、運営している方や小規模のネットショップでは数多くある立ち上げや運営の業務をすべてまかないきれないことも多いです。

その場合誰かに業務を外注してもらったほうが良い場合もあるでしょう。

しかし当然外注するということはその分コストがかかります。

サービスが不十分なところやコストが高いところを選ぶと、運営や資金繰りへの負担が大きくなったりします。

常に外注コストと収益をチェックし、赤字リスクを避けることが重要です。

個人や小規模ショップは大変かもしれませんが、開業してから間もない時期は、在庫管理や商品撮影などは自力で行いましょう。

売上増加やショップ拡大に合わせて必要な外注からしていくことをお勧めします。

計画以上に予算を使いすぎてしまった

事業計画の段階で細かく予算を決めているとは思いますが、想定以上の経費を使ってしまうと売り上げが伸びても利益は伸びません。

ネットショップの運営には、撮影機材や梱包資材、広告費などさまざまな経費が発生します。

例えばネットショップを運営していく中で自社のこだわりが強くなり梱包資材をオリジナルのものに変更した場合、その分梱包資材の製造費がかかります。

このように運営途中で計画を変更した場合、当初の予定より多くの予算を使ってしまうことになります。

計画を変更するしないに関わらず定期的に経費計算は行いましょう。

例えば表計算ソフトに記録するなど経費を可視化できると、コスト削減できる部分を検討しやすくなります。

ネットショップ開業に失敗しないための対策

ネットショップ開業に失敗しないためには以下のような対策をしましょう。

  • リピーターを増やすための施策を実施する
  • 集客に力を注ぐ(特にSEO)に注力する
  • 独自の強みを作る
  • サイト内での離脱を防ぐ工夫をしている

リピーターを増やすための施策を実施する

リピーターの獲得は、新規顧客獲得に比べ人的なコストや広告にかけるコストが抑えられるため、結果的に利益があがります。

「追客」による良いサイクルを回すことが新規顧客をリピーターに育てるため、そしてさらなる新規顧客の獲得に効果的です。

追客によるサイクルイメージ

このようなサイクルを作るためのリピーター施策として以下のようなものがあげられます。

  • 会員登録を促す
  • メルマガの配信
  • SNSを活用する

会員登録を促す

会員登録をしてもらうことはリピーターを増やすための第一歩です。

しかし、会員登録時の個人情報入力の手間が面倒で、ゲスト購入する顧客も多いです。

特に有名ではないサイトだと、最初の購入段階でリピートしたいと考えるユーザーは少ないため、なおさら会員登録まで踏み込んでくれません。

初回購入時に登録を促すには、以下のような会員登録のメリットを訴求するのが効果的です。

  • 会員登録した日から使えるポイントやクーポンの付与
  • 会員登録することを条件に自社商品のプレゼント
  • 会員登録後は送料無料にする

メルマガの配信

メルマガはユーザーとの数少ない接点を生むためのポイントです。

商品を購入してくれたお客さまにお礼メールや、最新情報やお得情報を入れたメルマガを送るなどして、ショップのファンになってもらうのがリピーター獲得に効果的でしょう。

しかし、いかにも公式的なメルマガを送るとわずらわしいと感じさせ、メルマガの登録解除の原因となることもあります。

そのため、「○○様、この度は○○のお買い上げありがとうございます。」といった内容がパーソナライズされているOne to One メールを送るのが良いでしょう。

ユーザーに「自分だけに送られたメールだ!」と思ってもらうことで開封率を高めるのに有効的です。

さらに、メルマガ登録の際に取得した生年月日や誕生月の情報を元に、バースデーメールを送ることもリピーター獲得に有効的です。

一般的に、バースデーメールには割引やポイント付与などの特典が同封されていることから、リピート購入を促しましょう。

SNSを活用する

SNSの活用はお金をかけずに自社ショップの広告を行うことができ、同時に顧客とコミュニケーションがとれるので、顧客との信頼関係の構築に最適です。

また、素早く顧客対応できることもリピーター獲得に必要な要素です。

そのため、DMで問い合わせできるようにしておけば、問い合わせのハードルが下がり、購入の後押しにつながるでしょう。

商品発送の際に、アカウントのQRコードを印刷した紙などを同梱し、フォローを促しましょう。

フォロー率向上施策として、フォローしてくれた人に限定特典があることを記載しておくなどが有効的です。

自社アカウントのフォロワーを分析するだけで、自社の顧客層を把握することができるため、顧客層に適したキャンペーンやマーケティングを実施することができるため、ファンの獲得に最適です。

集客に力を注ぐ(特にSEO)に注力する

集客はSNSやブログなどで行えますが、インターネットで成功するためには、SEOへの注力も欠かせません。

ここで言うSEOとはGoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、自身のサイトやネットショップを検索上位に表示させることを意味します。

多くのユーザーが目にするのは、検索後に上位に表示されるサイトでしょう。

検索上位に自身のネットショップを表示できれば、サイトの訪問者数が上がることが予測できます。

SEO対策で検索上位に位置すれば、広告費をかけずに自社サイトの認知度アップにもなります。

そのため、費用対効果が高いマーケティング手法と言えるでしょう。

さらに、SEOは購買意欲の高いユーザーを引き込むのに最適な方法です。

インターネットで検索をするユーザーはつまり顕在層であるため、購買意欲の高いユーザーにアプローチできるのもSEOのメリットです。

集客だけではなく、購買率向上にも効果的だと言えるでしょう。

独自の強みを作る

ネット通販で価格競争から脱却するためには、オリジナル商品を開発する以外に根本的な解決方法はありません。

他ショップにない独自性やこだわりがあると、お客さまが買い物をする理由付けになるので、自分のショップを選んでもらいやすくなるでしょう。

そのためには、自身のショップのコンセプトが明確・確立されている必要があります。

コンセプトとは「お客様に体験してもらいたい、自身のショップが提供する価値と世界観」のことです。

  1. 独自性(競合のネットショップと何が違うのか?)
  2. 購買体験(ネットショップの買い物で、どんな感情を抱いてもらいたいのか?)

この2つの要素が明確になっているでしょうか??

形のない「価値」を考えるのはとても難しいですが、以下のような要素を考えながらコンセプトを明確・確立させましょう。

  • 届けたい相手を想像し、自分が受け取って嬉しい価値を想像する
  • ユニークな商品ラインナップになっているか
  • 商品やショップの世界観/価値観を伝えるキャッチコピーは明確か

「モノを売って終わり」ではなく、実際に生活がどう変わるか、どんな体験ができるのかなど、顧客に想像を喚起させることが大切です。

サイト内での離脱を防ぐ工夫をしている

ネットショップを利用するお客さまは、アクセスしたサイトが使いづらかったり、見づらかったりすると、すぐにページを見るのをやめて離脱することが多いです。そのため、顧客獲得や売上につながりません。

商品画像の見やすさ、販売価格を見やすい位置に配置する、商品説明文を読みやすくするなどの工夫は大前提です。

その他に以下のような項目はいろんなパターンを試し、分析/更新し続けましょう。

  • 買い物力ゴボタンの工夫(大きさ/色/すぐに購入やカートに入れるなどの種類)
  • 決済ページに看板画像の表示(ページ上部に看板がある方が商品ページのテイストを維持しやすい)
  • 決済ページ内でのステップ画像表示
  • 決済ページのフォントサイズ/画面幅/色の変更
  • 入力フォームの簡素化(ID決済に対応するなど)

これらの工夫を試しても、離脱率を下げれないという場合は、WEB接客ツールと言われるCVR向上向上させるためのツールの利用を検討してみましょう。

成功しているネットショップの事例3選

それでは実際に成功しているネットショップを3つご紹介します。

  • 石けん百貨株式会社「石けん百貨」
  • PAJAMAYA IZUMM
  • 北欧、暮らしの道具店

石けん百貨株式会社「石けん百貨」

石けん百貨 サイトページ

石けん百貨株式会社が運営する「石けん百貨」は、その名の通り石鹸を中心とした生活雑貨を扱うネットショップです。

石けん百貨のサイトは、上手く集客ができており、検索エンジンからの流入を増やせた成功事例になります。

成功要因と考えられるのは以下の要素です。

顧客に優しいサイト構築ができている

石けん百貨 サイト工夫紹介

トップページのヘッダーに取扱商品のカテゴリーを掲載し、サイトに訪問した顧客が何を購入できるのかを瞬時に確認できるように設定されています。

また、トップページには「新着&おすすめ商品」「口コミ・商品レビュー」「セール&キャンペーン」「売れ筋ランキング」などのコンテンツを配置。

これにより、顧客がページを移動することなく、お得な情報を取得できる設計になっています。

石鹸の基礎知識から使い方まで幅広いノウハウ情報を掲載している

石けん百貨 ノウハウ紹介

「石鹸で洗髪すると髪がきしむ理由」などの有益な情報を発信しています。

そのため、SEOからの流入に加えて、石けん百貨の商品をまだ知らない「潜在顧客」に興味を持ってもらう効果が期待できるでしょう。

PAJAMAYA IZUMM

PAJAMAYA IZUMM サイトページ

PAJAMAYA IZUMMは、有限会社フレックスが運営するパジャマ専門のネットショップです。

アパレル業界のネットショッピングでの購入は、「サイズ感や質感がわからないから不安」という顧客の不安があります。

PAJAMAYA IZUMMは、このような顧客の不安を上手く解消して売上を伸ばしているアパレルのお手本とも言える成功事例です。

成功要因と考えられるのは以下の要素です。

顧客に優しいサイト作りができている

PAJAMAYA IZUMM 商品詳細

商品詳細ページが一般的なネットショップのECサイトに比べ、写真やテキストでの商品説明が充実しており、顧客に優しいサイトになっています。

ECサイト上で顧客のニーズに刺さるコンテンツを作成することで、購入前の不安を軽減する工夫ができているでしょう。

北欧、暮らしの道具店

北欧、暮らしの道具店 サイトページ

北欧、暮らしの道具店は、北欧ビンテージのインテリアや日常雑貨などを販売しているネットショップです。

北欧、暮らしの道具店のサイトは、ネットショップとSNSを利用し、商品の認知拡大とサイトに訪問した顧客の購買意欲を高めることができた成功事例です。

成功要因と考えられるのは以下の要素です。

顧客が購入後のイメージをしやすい商品紹介の工夫をしている

北欧、暮らしの道具店 商品紹介

各商品ページでブログのように実際に商品を使っている画像と説明文で商品紹介をしています。

そのため、購入後のイメージを持ちやすく、実際に商品を確認できないというネットショップのデメリットを解消できているでしょう。さらに、商品をしっかりイメージしてから購入してもらうため、購入前後のギャップを小さくしてクレームや返品を少なくすることが可能にしています。

Instagramで商品の使用シーンなどの投稿をしている

北欧、暮らしの道具店 Instagram

SNS上でもまた、商品使用シーンの投稿をし、イメージを持ってもらいやすくしています。

それに加え、Instagramにネットショップのリンクを紐づけることで、投稿に興味を持ったユーザーの集客に成功している事例です。

ネットショップ開業に失敗しないためにはTalenTokに相談

株式会社iHack サイトページ

ここまでネットショップ開業に失敗してしまう理由や対策、成功事例などを紹介してきました。

しかし、一般的な失敗対策の知識はついたものの、実際に自身がネットショップの立ち上げに成功できるか不安という方も多いと思います。

その様な方は、ネットショップの立ち上げや運営の知見が豊富な制作会社に依頼するのが良いでしょう。

株式会社iHackでは、自社化粧品販売をECでやっていた経験ノウハウを活かし、ネットショップ制作後も充実したマーケティング支援を伴走してくれます。

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