Instagram広告は人気SNSであるInstagramに画像や動画を用いて出稿できる広告です。
ユーザー数も年々増えており大きな広告効果が期待できますが、どのようにInstagram広告を出稿できるか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、Instagram広告の出し方についてかかる費用や運用事例も紹介します。
Instagram広告を出稿し自社マーケティング活動の成果を高めたい方はぜひ参考にしてみてください。
Instagram広告出稿の前に知っておきたい特徴と種類
まずInstagramの特徴について解説します。
InstagramはMeta社の発表によると2019年3月時点で国内月間アクティブアカウント数が3,300万とトップクラスのユーザ数を誇ります。
同社の発表では利用者層は男性が43%、女性が57%と幅広いユーザーが利用。
Instagram広告の運用次第で、多くのユーザーにリーチし広告効果を高められるでしょう。
また、Instagram広告には以下の特徴があります。
- 高度なターゲティング
- 若者や女性にアプローチしやすい
- 配信面が多彩
Instagramに登録される年齢や性別などのユーザー情報をもとに精度の高いターゲティングが可能。
特に若者や女性から人気が高いSNSであり、これらのユーザー層にアプローチしやすいのも大きなメリットです。
広告配信はさまざまな形式に対応しており、具体的には以下の6種類が挙げられます。
- 画像広告
- 動画広告
- カルーセル広告
- コレクション広告
- ストーリーズ広告
- 発見タブ広告
ここから上記の広告について詳しく解説します。
参考:Meta「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」
画像広告
画像広告とは画像をベースにした広告のことです。
タイムライン上に他の投稿と同様の形式で表示され、ユーザーに不快感を与えず広告をみてもらえます。
広告下に「詳しくはこちら」「ダウンロード」などユーザーのアクションを促すボタンを設置することでリンク先へのアクセスを促せるでしょう。
動画広告
動画広告とは動画とテキストを使って表示できる広告です。
動画広告も画像広告と同様タイムライン上に表示され、ユーザーが自然に広告動画をみられる仕組みとなっています。
動画によりストーリー性を持たせた商品やサービスの訴求が可能で、エフェクトを駆使してユーザーの注目を惹きつけられるのが特徴です。
カルーセル広告
カルーセル広告は複数の動画や写真を掲載できる広告です。
1つの広告で最大10個の画像や動画を掲載でき、それぞれに別々のリンクを付与できます。
広告内に複数のリンクをつけられるため、複数商品を紹介したり、1つの商品を多角的に紹介可能です。
コレクション広告
コレクション広告とは、カタログのように自社製品を掲載できる広告形式です。
コレクション広告ではメインのカバー画像・動画の後に3点の商品画像を掲載でき、商品画像をクリックすることで詳細情報を閲覧できます。
コレクション広告を活用することで商品紹介から商品の購入までスムーズに繋げられ、購入率の上昇が期待できるでしょう。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告とはInstagramのストーリーズ上に掲載できる広告です。
ストーリーズはスライドショー形式で画像や動画を掲載できる投稿方式であり、デイリーアクティブアカウントの70%が利用するなど人気を博しています。
スマホに全画面表示されることから高い没入感をユーザーが得られ、商品・サービスをインパクトある形でアピールできるのが大きなメリットです。
参考:Meta「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」
発見タブ広告
発見タブ広告とはInstagramの発見タブに掲載できる広告のことです。
発見タブとはユーザーの興味・関心に基づいてInstagram内のコンテンツが表示される機能となっています。
発見タブを見るユーザーは情報収集に積極的であり、ユーザーの求める情報を掲載した有益な広告を表示させることで新規顧客獲得に繋げられるのが大きなメリットです。
h3 Instagram広告種類別の配信可能な面
Instagram広告を掲載可能な配信面は以下の4つです。
- フィード
- 発見タブ
- ストーリーズ
- リール
上記4つの配信面ごとに掲載可能な広告をまとめると以下の通りです。
フィード | 発見タブ | ストーリーズ | リール |
・画像広告 ・動画広告 ・カルーセル広告 ・コレクション広告 | ・画像広告 ・動画広告 | ・画像広告 ・動画広告 ・カルーセル広告 ・コレクション広告 | ・動画広告 |
最も配信できる広告が多いのがフィードとストーリーズとなっています。
配信面ごとに得られる広告効果も異なってくるため、広告運用時は幅広い配信面に出稿し成果の出るものを絞り込んでいくやり方がおすすめです。
Instagram広告の出し方・流れ
Instagram広告の出し方について、以下の流れで解説します。
- Facebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得
- Instagramアカウントをプロアカウントに変更してFacebookと紐づけ
- 広告クリエイティブの準備
- キャンペーンの作成
- 広告セットの設定
- 広告クリエイティブの入稿
- 広告の出稿開始
Instagram広告出稿の前に上記手順を確認しておきましょう。
Facebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得
はじめにFacebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得します。
Facebookページ設定画面から「ページを作成」をクリックし、下記の画面で必要情報を記入しFacebookページを作成。
その後ビジネスマネージャアカウントを取得します。
ビジネスマネージャアカウントは必須ではありませんが、取得しておくと広告運用しやすくなるのでおすすめです。
ビジネスマネージャアカウント作成ページにアクセスし、「アカウントを作成する」をクリック。
下記ページで必要情報を記入
送信後、入力したメールアドレス宛に認証メールが届き、認証確認そればアカウント作成完了です。
Instagramアカウントをプロアカウントに変更してFacebookと紐づけ
続いてInstagramアカウントをプロアカウントに変更し、Facebookと紐付けます。
プロアカウント変更はまずInstagramプロフィール画面から設定を開き、アカウントをクリックし下部にある「プロアカウントへ切り替える」をクリック
続いて以下のようにビジネスを選択後、カテゴリを選択し連絡先情報を入力するとプロアカウントに切り替え完了です。
Facebookページとのリンクはプロフィール画面右上のメニューボタンから「設定」にアクセスし、「ビジネス」を選択後に「リンクまたは作成」から可能です。
広告クリエイティブの準備
続いて広告クリエイティブを準備します。
広告クリエイティブとは広告に掲載する動画や画像などを指し、広告の成果を左右する重要なものです。
Instagram広告ではフィード・発見タブ・ストーリーズ・リールの4種類から配信可能で、それぞれユーザーが感じる印象など傾向が異なります。
広告掲載できるクリエイティブの規格も異なり、大まかな傾向を把握し適切なクリエイティブを作成することが大切です。
広告クリエイティブを掲載する際は、まずは正方形の画像を利用しましょう。
正方形の画像はフィードにもストーリーズにも対応できる規格で、汎用性が高いからです。
正方形画像で広告運用し、パフォーマンスの高いクリエイティブが見つかった段階でサイズ展開していくと良いでしょう。
また、解像度は最高画質にするのがおすすめです。
解像度が低いと広告の印象が悪く、アクセスが集まりにくくなるからです。
Instagram広告クリエイティブの解像度上限はないため、最も高画質な画像を使うようにしましょう。
キャンペーンの作成
クリエイティブ準備後、キャンペーンを作成します。
ビジネスマネージャ内の広告マネージャーにアクセスし、キャンペーン内の作成ボタンをクリック。
キャンペーンは配信目的のことを指し、「認知」「検討」「コンバージョン」の3種類に大きく分かれます。
下記に表示されたキャンペーン目的から該当するものを選択。
広告セットの設定
続いて広告セットを設定します。
Instagram広告では以下4種類の課金方法が設定されており、それぞれ違いがあります。
- CPC(クリック課金):広告がクリックされるごとに費用が発生
- CPM(インプレッション課金):広告が1000回表示されたときに費用が発生
- CPV(動画視聴時間):広告動画の再生時間に応じて費用が発生
- CPI(アプリインストール課金):広告を通じてアプリがインストールされた時に費用が発生
課金方法はキャンペーンの目的などにより選べる種類が変わってきます。
まず最初に予算を設定しましょう。
下記画像の予算欄から決めますが、予算は「1日の予算」と「通常の予算」の2種類から選べ、どちらも予算を消化するまで広告が掲載され続けます。
予算設定後はオーディエンスを設定。
オーディエンスとは広告を届けたいユーザーのことを指し、大きく以下3つの種類に分けられます。
- コアオーディエンス:ユーザー属性や興味関心でターゲティングするオーディエンス
- カスタムオーディエンス:メールアドレスや電話番号など個人情報を元に既存顧客データを活用してターゲティングするオーディエンス
- 類似オーディエンス:既存のオーディエンスに類似するユーザーに広告を配信できる
オーディエンス設定画面では下記のように、地域や年齢などを絞って新しいオーディエンスを作成したり、保存してあるオーディエンスを活用可能です。
広告の配信目的に合わせた最適なオーディエンスを設定します。
広告クリエイティブの入稿
広告クリエイティブを入稿します。
下記の画面で設定しますが、動画や画像などの「メディア」と、メディアとともに掲載される広告説明文の「テキスト」が必要です。
メディアとテキストを設定すると画面右側にあるプレビュー画面で広告を確認できます。
Instagramではテキストの分量を広告全体の20%以下に抑えるルールがあり、注意が必要です。
Instagram広告で利用できる画像サイズまとめ
Instagram広告として入稿するメディアは以下の規定が定められています。
フィード | 発見タブ | ストーリーズ | リール | |
ファイル形式 | ・画像:JPG、PNG ・動画:MP4、MOV、GIF | ・画像:JPG、PNG ・動画:MP4、MOV、GIF | ・画像:JPG、PNG ・動画:MP4、MOV、GIF | MO4、MOV |
最大ファイルサイズ | ・画像:30MB ・動画:250MB | ・画像:30MB ・動画:250MB | ・画像:30MB ・動画:250MB | 4GB |
動画の長さ | 1秒〜60分 | 1秒〜60分 | 1秒〜60分 ※10秒以上の動画広告は、複数のストーリーズに分類 | 0〜60秒 |
推奨解像度 | 1,080×1,080ピクセル以上 | 1,080×1,080ピクセル以上 | 1,080×1,080ピクセル以上 | 500×880ピクセル以上 |
アスペクト比 | 「画像」1:1 「動画」4:5 | 「画像」9:16 「動画」4:5 | 「画像」9:16 「動画」9:16 | 9:16 |
広告を入稿する際はメディアを上記の規格に合うよう作成しましょう。
広告の出稿開始
最後に広告を出稿します。
広告は下記画像内の右下にある「公開する」ボタンを押すことで出稿可能です。
Instagram広告の費用相場
扱う商材などで費用は変わりますが、Instagram広告の費用相場は課金方式ごとで示すと以下の通りです。
- CPC(クリック課金):1クリックあたり40〜100円
- CPM(インプレッション課金):1000回表示あたり500〜1000円
- CPV(動画再生課金):1回再生あたり4〜7円
- CPI(アプリインストール課金):1インストールあたり100〜250円
画像が中心のSNSであるため、Instagramの課金方式はインプレッション課金が主流です。
広告は最低100円から出稿可能であり比較的低予算でも始められますが、成果を出すためには上記相場程度の費用が必要で1日数千円程度はかかるでしょう。
予算超過を起こさないようにするポイント
Instagram広告で予算超過を起こさないようにするには以下のポイントが重要です。
- 予算消化を細かくチェック
- 自動決済利用時は余分に予算を入れない
- 日の予算を設定
まずは予算消化を細かくチェックしましょう。
広告が思った以上に表示されると一気に予算が消化されてしまい、広告が表示できなくなってしまいます。
そのためできるだけ短いスパンで予算の消化状況を確認しておくことで、予算超過リスクを抑えられます。
自動決済利用時は予算を多く入れすぎないようにしましょう。
自動決済を設定すると一定の予算を消化したタイミングで決済がかかり、予算を入れすぎると予定よりも早く使い切ってしまう可能性があります。
予算を入金する際はなるべく複数回に分けた方が良いでしょう。
1日の予算を設定することもポイントです。
1日ごとの予算を設定すれば、細かく予算消化を調整でき使いすぎる心配も少なくなります。
運用に慣れた段階であれば、ある程度長い期間で予算管理するのもありでしょう。
費用対効果を高めるインスタグラムの広告運用のコツ
費用対効果を高めるインスタグラム広告運用のコツとして、以下4つが挙げられます。
- ターゲットや目的設計をする
- ターゲティングを意識したクリエイティブを作る
- クリエイティブは複数作成する
- インフルエンサーを活用して広告感をなくす
インスタグラム広告運用の際は、上記ポイントを意識しましょう。
h3 ターゲットや目的設計をする
まずは広告運用におけるターゲットや目的を設計しましょう。
ターゲットを設定せず広告運用してしまうと、ターゲット以外のユーザーにも広告が表示され費用対効果が悪くなってしまいます。
広告運用の目的に合わせてターゲティングを行い、ターゲット以外のユーザーに広告が表示されないよう除外設定を行いましょう。
また広告出稿時は目的を「認知」と「獲得」に分けて段階的に広告配信することが効果的です。
例えば、認知目的のクリエイティブで広告を出稿し、その広告に反応があったユーザーにのみ獲得用のクリエイティブでリターゲティング配信を行うと、費用対効果よく成果を創出できるでしょう。
ターゲティングを意識したクリエイティブを作る
ターゲティングを意識したクリエイティブを作ることも重要です。
ユーザーに目をとめてもらうには、どのような人にこの広告がおすすめなのかクリエイティブ内にメッセージを入れる必要があります。
例えば、住宅系の広告であれば「〜地域でお住まいをお探しの方におすすめ」と文言を入れることで、その地域で住宅を探しているユーザーの関心を集められるでしょう。
このようにターゲットが興味・関心のある内容を広告に入れ込むことで、広告運用の成果を高められます。
クリエイティブは複数作成する
クリエイティブは複数作成しておきましょう。
クリエイティブ作成にはいくつかコツはあるものの、どのクリエイティブが効果があるかは実際に広告出稿してみないと分かりません。
そのためクリエイティブを複数用意して配信し、成果が出たクリエイティブの要因を抽象化し展開していく形が理想です。
広告運用の成果を高めるには、複数のクリエイティブを作成し成果の出たものを厳選していくことが鍵となるでしょう。
インフルエンサーを活用して広告感をなくす
インフルエンサーを活用して広告感をなくすことも有効です。
近年広告の出稿数が増えていることもあり、ユーザーの広告に対する印象が悪くなっています。
そのためインフルエンサーに代理で広告配信してもらい、広告感がないように設計するとよいでしょう。
例えば、ファッションブランドのCOACHと水原希子が以下の形でコラボしており、水原希子自身のアカウントで配信することで、自然な形でユーザーにPRしています。
参考:https://www.vogue.co.jp/feature/coach/180601/#/cool_collaboration
このようにインフルエンサーを活用して、いかに自然な形でユーザーに広告を届けられるかが重要です。