UGCとは?CGMとの違いは?マーケティング活用事例や施策例を紹介

UGC(User Generated Contents)とは、一般ユーザーが制作したコンテンツのことです。

実際の商品サービスを利用したリアルな意見や感想が反映されるため広告感が出にくく、共感を生みやすいメリットがあることから注目が集まっています。

この記事では、UGCの概要やマーケティングへの活用事例を交えながら解説していきます。UGCの利用を検討している方はぜひ最後までお読みください。

UGCとは?

UGC(User Generated Contents)とは、一般ユーザーが制作したコンテンツのことです。

具体的には、SNSやブログサイトといったさまざまなソーシャルメディアに投稿されたコンテンツや書き込まれたレビューなどのことを指します。

また、投稿されたコンテンツに対するコメントなどもUGCに含まれます。

信頼感や魅力を伝える手段としてUGCつまり、消費者のリアルな声が重要な情報源となっています。

SNS攻略にUGCが重要と言われるようになった背景

現在2022年のスマートフォン保有率が94%というデータが出ています。

このようなスマートフォンの普及に伴いSNSなどで個人が情報発信のしやすい時代となってきました。

また、2020年7月にアライドアーキテクツ株式会社が行った調査によるとコロナ禍による新しい生活様式下におけるSNSの利用目的で増えたものとして、30%が「外出する時間を減らすために、事前にSNSでサービス内容やクチコミを検索・収集することが増えた」、28%が「通販やデリバリーを利用する機会が増え、サービス内容・クチコミ・申込をSNSを通じて検索・収集することが増えた」と回答。

このようにUGCは重要なコンテンツとして注目され、実際にOlapic『Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner's Guide』によると生活者の63.0%が「購入前に商品のUGCをSNS上で探している」というデータも出ています。

このことからSNSでの情報収集が消費者の意思決定に影響を持ち始めたことが良くわかり、UGCは現代におけるマーケティングに重要なものと言えます。

参考文献:日本のスマホ比率、「2010年は4%」→「2022年は94%」に

UGCとCMGとの違い

UGCとよく間違われるのがCMGです。

CGM(Consumer Generated Media)とは、ユーザーからの情報発信によって成り立っているメディアのことを指します。

具体的には、クックパットや食べログ、Yahoo!知恵袋などがあげられます。

分かりやすく定義するとすれば、CMGはUGCを生成する場所(メディア)、UGCはCMG内で生成されたコンテンツのことです。

Instagramを例にすると、InstagramというプラットフォームはCMG、Instagramで投稿したコンテンツやそれに対するコメントはUGCということになります。

UGCをマーケティングに活用するメリット

UGCを活用するメリットとしてあげられる代表例が以下の2つです。

  • ユーザー視点の強いクリエイティブであるため、信頼や共感を生みやすい
  • SEO効果も期待できる

上記メリットについてそれぞれ解説していきます。

ユーザー視点の強いクリエイティブであるため、信頼や共感を生みやすい

UGCは実際の商品やサービスを利用したユーザーのリアルな意見や感想がそのまま反映されたものです。

企業が一方的に良いところだけを見せ押し付け感のある広告に対し嫌悪感を抱くユーザーが多い一方で、ユーザー視点のUGCは信頼や共感を生みやすいのがメリットと言えます。

SEO効果も期待できる

UGCはSEO効果も期待することができます。

UGCそのものがSEOの評価に直結するというわけではありませんが、UGCではサイトやページのリンクを張り付け投稿するケースが多くみられます。

そのため、良質な外部リンクを獲得できるという意味ではSEO効果に期待できるといえます。

UGCのマーケティング活用方法と効果

このようなメリットや、重要性のあるUGCを実際に活用した企業はUGCについてどう思っているのでしょうか??


アライドアーキテクツ株式会社の調査によると、「UGCを活用するようになってからの施策のパフォーマンス(CPA、CVR等)の変化」について聞いたところ、 「とても向上した」は2.1%、「少し向上した」は74.5%と回答したことから、UGC施策を実施した企業の約4分の3が何らかのパフォーマンスが向上していることが判明。

具体的な成果としては、51.4%が「SNSでの反応(エンゲージメント)が増えた」、続いて、42.9%が「CVRが向上した」、22.9%が 「売上が上がった」と回答しています。

以上のことから、UGCを活用し効果を感じている企業がとても多いことが分かりますね。

では最後に実際のUGC活用方法3つをご紹介します。

  • ECサイトやLPに活用
  • 広告としてUGCを活用
  • SNSの公式アカウントの投稿素材としてUGCを活用

ECサイトやLPにUGCを活用する

ECサイトでのUGC活用法としては、ECサイトトップ商品個別ページのページ階層やサイト内コンテンツに則したUGCをトップや個票ページに配置する。

また、LPでは新規LP上のVOCコンテンツとしてや記事LP上のHOW TOコンテンツとして活用するといったUGC活用法があります。

このようにUGCを活用することで回遊率やCVR改善といった効果を得ることができます。

実際に株式会社Muscle Deliでは、UGCを公式ECサイトのTOPページ、広告LPに活用し、公式ECサイトのTOPページにおいてCVR1.5倍に向上、新規獲得LPではCVR1.3倍以上に向上という効果を得ることができています。

【CVRがECサイトTOPで1.5倍、新規獲得LPで1.3倍以上に向上】

広告としてUGCコンテンツを活用する

広告クリエイティブにUGCをそのまま、または含めるという活用方法です、

SNS広告における動画クリエイティブの準備には時間もコストもかかりますが、UGCを活用することにより大幅に削減することができます。

また、一般的な広告は生活者から嫌悪感を抱かれやすいですが、広告にUGCを活用することにより広告感を少なくし広告に対する嫌悪感も軽減させることができます。

実際に株式会社Flairでは「動画UGC」をSNS広告のクリエイティブに活用し、SNS広告経由での流入によるLPのCVRが1.6倍に向上、CPAは41.4%削減という効果を得ています。

より自然な形で「使用感」を伝えることができたのが、このような結果を出せた理由だと考えられます。

【動画UGC活用でCVR1.6倍、CPA41.4%削減!ー成功のカギは「消費者目線」の訴求】

SNSの公式アカウントの投稿素材としてUGCを活用

フィード広告やSNSアカウントのクリエイティブ素材として使用し、クリエイティブの幅を拡大させるのもUGCの活用方法の1つです。

日々の投稿にUGCを活用することで、「素材収集の運用工数」を削減しながらも投稿素材の量を確保し、安定して公式アカウントを運用することができる点や、

ファンの目線を通じた新たな切り口のコンテンツを得ることで「質」も向上することができるのは公式アカウントでUGCを活用するメリットといえます。

実際にキリン株式会社では、UGCを公式アカウントの投稿とストーリーズ投稿に活用し、月間投稿数が倍に増加、さらにユーザーからのエンゲージメントが135%と高数値を獲得しています

【UGCを日々の投稿に活用-ファンとのコミュニケーションと安定運用を実現!】

UGCをマーケティング活用する際の注意点

UGCをマーケティングに活用する際には、以下のような点に注意しましょう。

  • インフルエンサーの許諾をとってから依頼する
  • 薬機法や景表法に反しないコンテンツかチェックする

インフルエンサーの許諾をとってから依頼する

UGCを活用する場合、そのUGCを生成した本人に許可をとることが大前提です。

無断で商用利用する行為は著作権侵害に当たります。

例外として、モニター施策などで事前に二次活用の許可を得ている場合は必ずしも許可を得る必要はありません。

薬機法や景表法に反しないコンテンツかチェックする

UGC自体は一般ユーザーが生成したコンテンツであるため、企業はその投稿内容に関与していません。

しかし、LPや広告クリエイティブなどの素材として活用する時点で、そのUGCは企業の表現物の1つとみなされ、薬機法や景表法の対象となります。

活用するUGCの内容に薬機法や景表法に反する表現がされていないかどうかは事前にしっかりとチェックしておきましょう。

UGC活用の活用事例

先ほど紹介した事例のほかにもいくつかUGCを活用した成功事例をご紹介します。

  • 株式会社ヤマサキ
  • 株式会社鈴木ハーブ研究所
  • 株式会社ランクアップ

株式会社ヤマサキ

【活用を決めた理由】

株式会社ヤマサキではCVR改善が必要だったため、CVR改善を期待できるUGC施策を開始しました。

【施策と効果】

ヘアケア商品「プレミオ―ル」トライアルセットの新規獲得LPにUGCを活用。結果的にCVRが1.3倍に向上しました。

【工夫ポイント】

ヘアケア商品の場合、写真では商品の良さが伝わりづらいため、テキストで使用感や感想が伝わるようにUGCのテキストエリアを大きく表示するなどの工夫を施しました。

また、実際に商品を体験した投稿者の年齢や髪質を併せて表示することで、自分と同年代であることや似た髪質の方のUGCを参考にすることができるため、購入の後押しにつながったと考えられます。

【新規獲得LPでCVRが1.3倍に向上 ラサーナのUGC活用事例】

株式会社鈴木ハーブ研究所

【活用を決めた理由】

株式会社鈴木ハーブ研究所では、もともとUGCを活用しており定量的に効果を感じていたからこそ、複数商品を併せて使ってくれているお客様の声はクロスセルの促進にも繋がるのではないかと考え、活用幅を広げました。

【施策と効果】

商品購入後のお客様に表示される「ついで買い訴求ページ」にUGCを掲載。2週間の運用をした結果、UGCなしの場合と比較して1日当たりの「両商品を同時に購入いただいた件数」が最大で2倍に向上しました。

【工夫ポイント】

ついで買いをしていただくためには、いかに「あわせ使いによる効果」を想像していただけるかが重要と考え、「あわせ使いによって得られた肌の変化」や「効果がでやすい使い方」が伝わるUGCをメインに活用しています。

【EC上の「ついで買い」発生件数が2倍に!クロスセルを促進するUGC活用法とは?】

株式会社ランクアップ

【活用を決めた理由】

株式会社ランクアップでは、もともとお客様の手書きコメント等をLPのクリエイティブに使用していたものの、さらにお客様の納得感を向上させたいと考え、UGC施策を本格的に開始しました。

【施策と効果】

UGCを広告LPに活用。結果的にLPのCVRが最大1.1倍に向上しました。

【工夫ポイント】リアル感のある口コミを訴求できたことと、ハッシュタグ等を使って各LPに合うUGCを簡単に見つけ出し、かつLPへのUGCの掲載や、効果を見ながらのUGCの入れ替え等をスムーズに行うことがCVR向上につながったと考えられます。

【CVR1.1倍を実現!マナラ/ホットクレンジングゲルの「新・LPクリエイティブ戦略」とは?】

運用型UGCとは??

運用型UGCとはUGCの生成・収集、活用、改善するという一連のPDCAサイクルを回しながら、継続的にUGCを活用することを指します。

一般的なマーケティングと同じように戦略的にUGCを活用していくことで、大きな成果につながっていくでしょう。

目的・場面に応じて効果を発揮する魅せ方や内容は異なります。

それを見極めるためにも、継続してUGCの生成・収集、活用、改善といったPDCAサイクルを回し続けることをお勧めします。

成果の向上を追い詰める「運用型UGC」。是非皆さんも活用していきましょう。

まとめ

この記事ではマーケティングにあけるUGCの重要性や実際の活用方法などについてご紹介・解説してきました。

まだ始めていない方も、これから本格的にUGC施策を行いたい方も参考にしてみてください。

関連記事一覧