SparkAdsとは?広告配信の仕組みやメリット・デメリットを徹底解説

SparkAdsとは?広告配信の仕組みやメリット・デメリットを徹底解説

監修者

株式会社サイバー・バズ 広告運用本部 シニアディレクター

小林 綾佳

2017年新卒でサイバー・バズに入社。営業職として大手メーカーを中心に自社メディアを活用したソーシャルメディアプロモーションの提案営業を行う。2017年10月の全社総会にて新人賞を受賞。2019年9月より広告運用本部にジョインし、化粧品・日用品メーカーを中心にブランド広告の運用を担当。TikTok広告運用を中心に、ハッシュタグチャレンジ施策等の予約型広告も担当。

「SparkAdsって何?」
「他のTikTok広告とは何が違うの?」
という疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

SparkAds(スパークアズ)とはインフルエンサーや一般ユーザーなど、他人が作成したコンテンツを広告として配信するTikTokの広告メニューの一つです。

この記事では、SparkAdsが一体どのようなものなのか、メリットや注意点まで詳しく解説します。

\ やってわかった /
SparkAdsのメリット・デメリット

商品紹介が丁寧な動画など、ブランドとして露出を増やしたいコンテンツの再生数を増やせる点はSparkAdsの魅力です。一方で投稿の下部に「広告」と表示されるため、いいねやコメントが少なくなってしまいます。

【やってわかったSparkAdsのメリット・デメリット】
・TikTok上のUGCやPR投稿を広告出稿できるため、レコメンドフィードに馴染みやすい
・ブランドが伸ばしたいコンテンツの再生数を増やせる
・いいねやコメントなど、エンゲーメント率は低く止まりやすい

SparkAds(スパークアズ)とは?TikTok広告メニューとの違いを徹底解説

SparkAdsとは、TikTokに投稿したコンテンツを広告出稿して、意図的に再生数を伸ばすことができる広告フォーマットです。

ブランドや企業がインフルエンサーなど投稿作成者から広告配信の許可をもらい、SNS上にすでに公開されている投稿をより多くの人に表示させて認知拡大を広げるために利用します。

インフィード広告など他のTikTok広告との違い

TikTokの広告には以下の3種類があります。

  • TopView
  • ハッシュタグチャレンジ広告
  • インフィード広告

上図の通り、SparkAdsはインフィード広告の一種で、インフィード広告と同じように「おすすめの投稿」のフィードにコンテンツが流れてきます。

この記事では、広告主が出稿するDiversionAdsをインフィード広告と定義して、違いやSparkAdsの解説を進めていきます。

インフィード広告との違いは第三者のコンテンツを広告配信できること

インフィード広告との1番の違いは、コンテンツの作成者が自分以外の誰かであるという点です。インフィード広告では、広告主が作成した動画を広告配信し、SparkAdsはインフルエンサーなどの第三者が作成したコンテンツを広告として配信します。

SparkAdsを使用すると、すでに作成および投稿された動画コンテンツの下部に「続きをみる」「詳細を見る」などのCTAを設置可能です。

ブランドや企業が、TikTokで話題になったコンテンツや自社の魅力をうまく伝えてくれるPR投稿に広告費を投じて、露出を増やすことができる広告手法となっています。 

広告配信にあたり動画コードを投稿者に発行してもらう必要がある

一般ユーザーやインフルエンサーが作ったすでに存在する良質なコンテンツをブランドや代理店が広告配信できる点は魅力ですが、広告配信にあたり投稿者に利用許諾や動画コードを発行してもらうといった調整が必要です。

SparkAds以外のTikTok広告やTikTokを活用した広告以外のマーケティング施策については、以下の記事で詳しく解説しています。

「TikTok広告とは?種類別の費用と効果、広告の出し方を徹底解説」
「TikTokはマーケティングに使うべき?活用事例を踏まえてメリット・デメリットを詳しく解説」

SparkAdsを利用するメリット

他の広告との違いを知った上で、SparkAdsを利用することでどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

SparkAdsを利用するメリットは大きく分けると以下の2点です。

  • レコメンドフィードに馴染む
  • 投稿された動画の再生数を意図的に伸ばせる
  • 購入につながるUGCクリエイティブを検証できる
  • フォロワー獲得につながるためインフルエンサーとの関係構築にも使える

レコメンドフィードに馴染んだ形で広告出稿できる

先ほども述べたように、SparkAdsは投稿されたコンテンツの再生数をブーストさせる機能です。 実際の投稿をレコメンドフィードに表示させるので、広告だと気づかれにくくなります。

レコメンドフィードに馴染む自然な広告を出すことで、視聴者に広告が表示されることへの不快感を軽減しやすいでしょう。

特定のコンテンツの再生数を意図的に伸ばせる

SparkAdsでは、投稿された動画の再生数を意図的に伸ばすことができます。

アカウントを運用しているけどフォロワー数や再生数がイマイチ伸びないといった場合に利用するのも一つの手です。

PR投稿の場合、再生数が伸びなくてもあとから再生数を上乗せできる

また、TikTokで商品提供やPR投稿依頼などの施策を行っている場合にもSparkAdsは有効な手段と言えます。

PR投稿をインフルエンサーに依頼し、投稿まで完了したものの、動画の伸びが良くない場合を考えてみましょう。

PR投稿を依頼したインフルエンサーの他のコンテンツと比較して再生数が低くても、SparkAdsを利用することで、一定の水準まで再生数を増やすことができます。

このように、再生数が伸び悩んでいるPRコンテンツに対してもSparkAdsを活用することができます。

購入につながるUGCクリエイティブを検証できる

TikTokでは広告出稿されていないコンテンツにCTA(ECサイトなどへの導線)を設定できませんが、インフィード広告やSparkadsなどで広告配信中であれば導線を設置できます。

パラメーターを付与して、UGCクリエイティブ経由(PR投稿)での購入数を計測し、より購入に繋がりやすいUGCクリエイティブの配信量を増やせる点は魅力と言えるでしょう。

フォロワー獲得につながるためインフルエンサーとの関係構築にも使える

SparkAdsは第三者のコンテンツを広告配信するため、配信したコンテンツの再生数が伸びてアカウントのフォロワーが増えるというケースもよくあります。

インフルエンサーにとってもフォロワーが増えるというメリットがありますので、広告出稿を通じてブランドとインフルエンサーとの関係構築を図ってみてもいいかもしれません。

また、広告出稿する際は二次利用費がかかるケースもありますので、投稿依頼時に頭出ししておくとスムーズに進みやすいです。

SparkAdsを利用する際の注意点

ここでは実際に運用してみてわかったSparkAdsの注意点をご紹介します。再生数を伸ばせるという魅力はあるものの、以下の注意点もあります。

  • 広告離脱率が高くなる
  • 直接購入につながりにくい場合もある

SparkAdsでは、再生数を一定レベルまで伸ばすことができるものの、広告出稿中は「広告」と表示が出るため、再生数の割にいいね数が少なくなってしまいます。

そのため、エンゲージメント率が低く見えてしまう点はデメリットと言えるでしょう。

インフィード広告と比較して広告離脱率が高い

SparkAdsはインフィード広告と比較して、遷移率が低くなりやすいです。

インフィード広告はアイコン画像、CTAボタン、ユーザー名の3つが遷移ポイントとなりますが、SparkAdsの場合CTAボタンしか遷移ポイントがありません。

アイコン画像やユーザー名をクリックするとインフルエンサーのプロフィールに遷移してしまうため、広告離脱率が高くなってしまうのです。

直接購入につながりにくい場合もある

SparkAdsを利用してブーストされたコンテンツは、広告として作成されているものではない分、エンタメコンテンツとして消費される傾向があります。また、遷移ポイントが少ない点を踏まえると直接購買につながりにくくなる場合もあるため、注意が必要です。

一方でコメント内での口コミを含めた会話が活発化することで、コメント閲覧時間が伸び、視聴継続率の伸長に繋がる副次的効果を生み出します。

その結果、インフィード広告と比較すると視聴継続率が高くなり、且つ商品への興味が深まりやすくなるのです。SparkAdsを通じた商品理解によって、間接的な購買に繋がりやすくなるといえるでしょう。

SparkAdsの利用方法|広告配信の流れと出稿時に気をつけておきたいポイント

続いては、実際にSparkAdsで広告配信する際の手順や出稿時のポイントを紹介します。

1. 広告アカウント開設
2. 詳細情報入力
3. 請求先情報入力
4. 支払い情報入力
5. 広告目的の選択
6. ターゲットの設定
7. 予算とスケジュールの選択
8. 広告フォーマットの選択
9. クリエイティブの作成

SparkAdsの費用はいくら?最低出稿金額や設定方法をわかりやすく解説

ここでは、SparkAdsの最低出稿金額や設定方法を実際の画面スクショを使いつつ説明します。

SparkAdsの最低出稿金額は5,000円となっています。予算は日予算(1日単位の予算上限)と通算予算で設定可能です。

画面のように予算は5,000〜1,000,000,000円の間で設定可能で、日予算(1日単位の予算上限)と通算予算の2種類の方法で上限金額を設定できます。

予算はいくらで設定すればいいの?

弊社で実際にSparkAdsに広告出稿してみた際は、200〜500円で1,000再生くらい出稿ができました。広告出稿の際は希望の再生数から逆算して、予算設定してみてください。

広告予算設定方法の違い

続いては日予算と通算予算の違いや使い分け方を解説します。TikTokのインフィード広告にも最適化の仕組みがあるため、一時的に広告を大きく使って最適化を優先するという選択肢もあります。

それぞれの予算設定方法における違いは以下です。

  • 日予算
    設定した予算以上に広告費が使われることがないため、1日で大きく広告費を消化せずに済む。日予算の金額感によっては最適化が進む前に出稿制限がかかってしまう場合もある。
  • 通算予算
    広告費の上限として設定した予算内で最適化が進むため、最適化はかけやすい。一方で日単位でみると最適化をかける途中で想定以上に広告費が発生するため、アドセット単位での日予算設定が必要となる。

商品ごとの通算予算を設定後に、アドセット配下で日予算を設定すると良いでしょう。

SparkAdsの入札方式と課金の仕組みを解説

以下の4種類の課金方式から選ぶことができます。商材や目的に合わせた入札方式を採用し、費用対効果を最大限高めていきましょう。

  • インプレッション課金型(CPM)
  • 最適化インプレッション課金型(oCPM)
  • 再生課金型(CPV)
  • クリック課金型(CPC)

インプレッション課金型(CPM)

CPM方式では、広告の1,000回表示あたりのコストで入札を行います。

TikTokシステムが広告の露出を高め、広告主の予算設定に応じて、可能な限り多くのユーザーにリーチします。リーチ数の多さに重点を置いた入札方式です。
そして広告主が提示した価格に基づき、実際のインプレッション(=1表示)単価が入札設定額に近づくよう、可能な限り調整します。

【計算方法】 合計コスト ÷ インプレッション数  ✕ 1,000
【課金ポイント】インプレッション発生ごとに課金
【適用可能なプロモーション目的】リーチ

最適化インプレッション課金型(oCPM)

oCPM方式では、広告の1,000回表示あたりのコストで入札を行います。
システムがコンバージョンまたはアプリインストールイベントを完了する可能性が高いと判断したユーザーを対象として広告配信を行います。

CPM方式との大きな違いは、oCPM方式は広告の目的に対して最適なユーザーに自動で配信される点です。
CPM方式はリーチ数に重きを置いた入札方式ですが、oCPM方式はコンバージョンやアプリインストールなど成果に重きを置いた入札方式です。また、SparkAdsの場合、フォロワー獲得で最適可能となっています。

【計算方法】合計コスト÷ 合計インプレッション数  ✕ 1,000
【課金ポイント】インプレッション発生ごとに課金
【適用可能なプロモーション目的】フォロワー獲得、コンバージョン、アプリのインストール

再生課金型(CPV)

CPV方式では、6秒または2秒の動画再生1,000回あたりのコストで入札を行います。
システムは広告主様の予算設定に応じて、動画の再生回数を最大限に高めます。
そして広告主様が設定した価格に基づき、実際の再生1,000回あたりのコストが入札設定額に近づくよう調整します。

【計算方法】合計コスト ÷ 視聴回数 ✕ 1,000
【課金ポイント】2秒/6秒
【適用可能なプロモーション目的】動画視聴

クリック課金型(CPC)

CPC方式では、1クリックあたりの広告コストで入札を行います。

システムは、クリックする可能性の高いユーザーに広告を配信し、広告主様が提示した価格に基づき、クリックあたりのコストが入札提示額に可能な限り近づくよう調整します。

【計算方法】 合計コスト÷クリック件数
【課金ポイント】クリック1件ごとに課金
【適用可能なプロモーション目的】トラフィック、アプリのインストール、コンバージョン

まとめ

この記事では、SparkAdsの概要や費用について説明してきました。SparkAdsについて知りたい方や運用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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