インフルエンサーマーケティングの失敗事例と理由|効果なしを避ける方法

インフルエンサーマーケティングの失敗事例と理由|効果なしを避ける方法

「インフルエンサーマーケティングをやってみたいけれど、失敗したくない…」
検討はしているものの、なかなか踏み出せずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、インフルエンサーマーケティングにおいて失敗してしまう要因から気をつけるべきポイントまで、幅広く解説していきます。

目次

インフルエンサーマーケティングの失敗にはどんなものがある?

インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーを起用するPR手法のこと。インフルエンサーが投稿した動画を通して、商品の「使用感」や「見た目」を視聴者に伝えることができるため、toC向けのサービスにおいて認知拡大目的で使われることが一般的です。

多くの企業がインフルエンサーを起用してSNSでプロモーションを実施していますが、もちろん失敗もつきものです。大きく分けると以下2種類の失敗があります。

  • エンゲージメントが伸びない
  • 不適切投稿による炎上

エンゲージメントが伸びずに思ったような効果を得られない

インフルエンサーマーケティングにおける失敗の一つに、「エンゲージメントが伸びない」が挙げられます。

エンゲージメント率とは、ある投稿に対するユーザーの反応の割合(いいね、コメント、シェア数など)のことです。投稿に対して、視聴者から商品に関する質問やポジティブな反応が来ることもあるので、エンゲージメント率は高いに越したことはありません。

以前はフォロワーが多ければ多いほど「PR向きなアカウント」として認知される傾向にありましたが、最近はフォロワー数よりも「ユーザーとの距離感」が重視されるようになってきました。

実際、フォロワーの多いインフルエンサーを起用したものの、エンゲージメントが悪く、認知拡大に繋がらなかったというケースもあります。

不適切投稿による炎上してしまう

インフルエンサーを使ったマーケティングの失敗、と聞いて多くの人が思い浮かべるのが「炎上」だと思います。

炎上させることによって認知拡大を図る人も一定数存在しますが、ブランドイメージが崩れたり根強いファンが離れたりすることがあるので避けた方がいいでしょう。

インフルエンサーマーケティングで失敗するとどんな影響がある?

インフルエンサーマーケティングに失敗すると、期待した効果が見込めなかったり、意図せずブランドイメージが下がったりすることも。インフルエンサーマーケティングは人気拡大を期待できる一方で、失敗によるリスクも伴います。

ネガティブな側面についてもしっかり考慮した上で、慎重に実施しましょう。

投稿のエンゲージメント率が低く失敗してしまう理由

失敗とは何かについて紹介してきましたが、次は失敗が起きる要因を解説します。

まずはエンゲージメントが伸びない場合に考えられる要因をみてみましょう。

  • フォロワー層のミスマッチによってターゲットにリーチできない
  • 選定したインフルエンサーの好感度が低く、商品イメージが下がってしまう
  • PR色が強すぎてユーザーに敬遠されてしまう

失敗理由1|フォロワー層のミスマッチによってターゲットにリーチできない

エンゲージメントが伸びなかった際にまず考えられるのが、インフルエンサーのフォロワー層と商品のターゲットがズレていたというケースです。

例えば、40代の女性向けの商品で10-20代に人気のインフルエンサーを起用し、プロモーションを行ったとします。40代女性向けの商品なので、10-20代の視聴者たちが投稿を見て商品を購入する可能性は低いため、新規顧客獲得にはつながらないでしょう。

さらに、ターゲットの40代女性は、そもそも10-20代のインフルエンサーを見ていない可能性もあります。

このように商品がターゲットとするユーザーにリーチできないということもあり得ます。

失敗理由2|選定したインフルエンサーの好感度が低い

せっかくインフルエンサーを選定しても、迷惑系や炎上系のインフルエンサーを選定してしまうと、投稿を見た人たちにあまりいい印象を与えられない可能性もあります。

商品のイメージダウンにも繋がりかねないので、好感度の高くない人を起用するのはあまりおすすめできません。

失敗理由3|投稿のPR色が強すぎてユーザーに敬遠されてしまう

商品とイメージが合うインフルエンサーを起用しても、PR色が強すぎる場合にはエンゲージメント率が伸び悩むことがあります。

例えば、自身のおすすめの美容グッズやコスメをメインに紹介しているインフルエンサーが、突然通販番組のような口調で家電のPR動画を投稿したらどうでしょう。普段と投稿の雰囲気が異なり、フォロワーから敬遠されてしまう可能性が高まります。

たとえ宣伝が美容に関するものでも、明らかに自身の感想ではなさそうな口調であれば、エンゲージメント率は伸び悩む可能性が高いです。

普段の投稿との親和性が高くても、動画内容を指定しすぎることで視聴者に不信感を抱かせてしまうからです。

以下の動画の方が視聴は伸びやすい傾向にあります。

  • サムネイル画像が他の投稿と一貫している
  • 商品紹介でインフルエンサーの意見がしっかり載せられている

商品の売り出したい部分とインフルエンサーの想い、それぞれバランスをとりながら、動画の構成や訴求軸を作り込むと良いでしょう。

インフルエンサーの投稿が炎上してしまい失敗する事例も

ここまではエンゲージメント率が伸び悩む要因について解説してきました。

次は炎上の要因について2つ見ていきましょう。

不適切な投稿で炎上してしまう

自社の商品をより良く見せたいがために他社の商品を誹謗中傷したり、マナーを守っていなかったり、ふざけた投稿をしたりすると、視聴者は不快な気持ちになります。

このような投稿が行われると、商品のイメージダウンや炎上に繋がりやすくなります。

情報の拡散が早い現代だからこそ、不適切な投稿は控えましょう。

不適切な投稿で炎上してしまった事例

ソフトバンクのイメージキャラクターとして有名な「お父さん犬」のInstagramアカウントも炎上したことがあります。

お笑いコンビ「野性爆弾」のくっきーさんとのコラボの際に投稿された複数枚の写真に不快感を表すコメントが多数寄せられ同アカウントで謝罪を行うにまで至りました。

普段の投稿はほんわかとした可愛らしい投稿ですが、コラボ期間中は独特な世界観の画像が複数投稿されました。

「​​こういう投稿もアリ」という肯定的なコメントも見受けられましたが、くっきーさんの悪ふざけが過ぎると取られる投稿が相次いだ結果、不快感をあらわにしたコメントが多数寄せられました。

PRを依頼する際は、普段のテイストから離れすぎないようにし、ユーザーの期待と乖離のないコンテンツを意識して企画しましょう。

ステルスマーケティングで炎上してしまう

炎上の原因になりやすく、一番陥りやすい失敗が「ステルスマーケティング」いわゆる「ステマ」です。

「ステルスマーケティング」とは、消費者に宣伝広告であることを隠し、悟られないようにプロモーション活動を行うことです。

具体的には、広告であることを隠してブログや情報サイトに高評価の体験談を投稿したり、SNSや口コミサイトのコメントを操作したりするなど、する行為のことを指します。

芸能人や著名人、インフルエンサーなどに、宣伝広告であることを伏せて商品やサービスのPRをしてもらう場合も「ステマ」に該当します。

好きなインフルエンサーが紹介していた商品が、インフルエンサー本人の感想ではなく、企業側から依頼されて言っていた感想だと判明した場合、ファンは騙されたと感じ、インフルエンサーだけでなく、商品やブランドの信頼まで崩れてしまいかねません。

インフルエンサーを使って商品の宣伝を行いたい場合は、会社側からインフルエンサーに広告案件であるという旨を記載してもらうよう依頼しましょう。

#PR #提供 など、広告や商品提供案件であることがわかるハッシュタグをつけることで、ステマにならずに済みます。

ステルスマーケティング疑惑となってしまった事例

ステマであるとして実際に炎上してしまった事例が、フジテレビ女子アナのステマ疑惑です。

数名の女子アナウンサーが美容室から無償でサービスを受け取り、お店のInstagramで自身の写真掲載を認めPRのサポートをしたとみなされてステマではないか、と話題になりました。

国内で名の知れた企業からのステマ疑惑ということで、ネットニュースに取り上げられるほどの騒ぎになりました。

ステマについては、明確に定義がされていないため、思わぬところで炎上してしまう可能性もあります。しっかり対策を施した上でインフルエンサーマーケティングを行うようにしましょう。

【直接依頼を検討している方必見!】インフルエンサーとのやりとりで失敗することも

ここまでは投稿時に起こりやすい失敗を紹介してきましたが、実はその前段階、インフルエンサーとのやりとりで失敗してしまうこともあります。

ここからは、実際に弊社のプライベートブランドのSUORUMでインフルエンサーマーケティングをやっていく中でわかった失敗例を紹介します。

  • 目標投稿数に対して必要なインフルエンサーをリストアップできずに失敗
  • フォロワー買いをしている人を選んで失敗してしまう
  • 案件の進行管理が煩雑で失敗してしまう
  • 引き受けてもらったのに連絡がつかなくなってしまう

目標投稿数に対して必要なインフルエンサーをリストアップできずに失敗

PRしてほしいインフルエンサーの人数が多ければ多いほど、依頼文を送る数は増えていきます。

事務所所属であったりマネージャーがいる場合はメールでのやりとりをすることもありますが、最初に声をかける際はほとんどがInstagramです。

Instagramの仕様上、自分がフォローしていない相手からのDMは「リクエスト」欄に振り分けられてしまうため、声をかけたのに気づいてもらえないというケースはよくあります。

特にフォロワーが多い人ほどプロモーション依頼の連絡も多く気づかれにくいので、インフルエンサーとの連絡ができずに失敗に終わってしまうことも少なくないのです。

インフルエンサーが引き受けてくれる確率は15%程度

簡単なようで難しいのがインフルエンサーに案件を引き受けてもらうことです。

商品やサービスとマッチしたインフルエンサーを何人か選定しても、実際に連絡してみなければ引き受けてくれるかはわかりません。

実際、弊社アイブロウで2,000名のインフルエンサーに声かけをしたところ、引き受けてくれた割合はおよそ15%でした。(弊社で行ったプロモーションはインフルエンサーへの依頼料をかけずに商品のプレゼントだけだったため、依頼料をかければ承諾率は上がると思われますが、承諾率はそれほど高くないと思っておいた方がいいでしょう。)

フォロワー買いをしている人を選んで失敗してしまう

インフルエンサーマーケティングは、「認知拡大」「商品の売上増加」を目的として行うことがほとんどなので、フォロワー数を気にする人も多いと思います。

しかし、SNSのユーザーの中には、自身のフォロワーやいいね数を偽り、影響力があるかのように見せる人がいます。

フォロワーやいいねを購入する、いわゆる「フォロワー買い」「いいね買い」を行うユーザーが存在するのです。このような人はフォロワーや投稿のいいねが多くても影響力はあまりありません。

フォロワー買いをしている人に多くみられるのが、フォロワー数が多いのにいいね数が極端に少ない、という現象です。余裕があれば見ておきましょう。

案件の進行管理が煩雑で失敗してしまう

インフルエンサーから返信が来て、無事に広告案件を引き受けてもらったとしても、返信がなかなか返って来ずに案件が進まないこともあります。

インフルエンサーを本業にしている人は一部の方のみで、多くのインフルエンサーは仕事や学業との両立でSNSの投稿を行っています。

一定数フォロワーのいるインフルエンサーの中には、複数の案件を同時進行で進めている人もいます。

このような場合は1つの案件にかけられる時間が少なくなるので、なかなか思う通りに案件進行ができず、苦労することもあります。

投稿希望の日時から逆算して、余裕を持って連絡を取りましょう。

投稿を引き受けてもらったのに連絡がつかなくなってしまう

無事に選定からやりとりまでの工程を終え、「あとは投稿を待つだけ!」というタイミングになっても油断は禁物です。

やりとりをしていたのに急に返信が来なくなった、アカウントが消えた、などということも意外と起こり得ます。

特に、無償案件(商品を提供する代わりにSNSで紹介してもらう広告案件)の場合は、商品を受け取った途端に連絡がつかなくなる人も実はよくあります。報酬の支払い等が発生する場合はこのようなことは起こりにくいですが、無いとも言い切れません。

連絡がつかなくなる人もいるかも知れない、ということを考慮し、依頼する人数を多めに設定しておくなど、対策を講じましょう。

以上を読んで、案外手間がかかる、失敗のリスクが大きい、と判断された場合には、代理店に頼むのも一つの手です。

コストはかかるものの、手間やリスクを劇的に減らすことができます。

インフルエンサーへの依頼で失敗しないためのポイントはこちらの記事で解説しています。

インフルエンサーの依頼方法|聞いてわかった3つの注意点と費用の相場

インフルエンサーマーケティングを成功させるには?

ここまで、数々の失敗要因を見てきました。

では、インフルエンサーマーケティングを成功させるために、何に気をつければ良いのでしょうか?

3つに分けて紹介していきます。

  • ブランドとの親和性のあるインフルエンサーを選定する
  • インフルエンサーの投稿を見る
  • インフルエンサーとの信頼関係を築く

ブランドとの親和性のあるインフルエンサーを選定する

ブランドのイメージにそぐわないインフルエンサーを起用するのは控えましょう。

宣伝したい商品と似通ったジャンルの投稿をしているインフルエンサーを起用することで、より商品の魅力を伝えてもらいやすくなります。

インフルエンサーの剪定時に投稿を確認する

インフルエンサーの普段の投稿も注目ポイントです。

写真を1枚投稿しているだけなのか、動画を投稿しているのか、文字を入れているのかなど、インフルエンサーの普段の投稿を見てみましょう。

自社の商品を紹介してもらうことを想像してみて、自社商品を紹介してもらえそうかは確認しましょう。他にも、「日常に馴染みやすい」ことをアピールするのであれば写真で投稿している人、「機能性」をアピールしたいのであれば動画や文字を多く利用している人、といった形で訴求に合わせて投稿を見極めても良いでしょう。

自分たちのイメージと近い投稿を普段からしている人であれば、実際に依頼した際にも訴求ポイントをしっかり紹介してくれる可能性が高いと考えられます。

インフルエンサーとの信頼関係を築く

インフルエンサーとの信頼関係を築くことも、プロモーションを成功に導くために大事なポイントです。

特に、インフルエンサーとやりとりする中で、返信のミスはできる限り減らしましょう。

他にも、商品発送のスムーズさや報酬の支払い期限を守ることも気をつけるといいでしょう。インフルエンサーとの信頼関係が構築されれば、次回以降に案件を依頼する際も引き受けてくれやすくなるはずです。

まとめ

売上の増加や認知度拡大が見込めるインフルエンサーマーケティングですが、失敗すればブランドのイメージダウンといったダメージを生むこともあります。

インフルエンサーマーケティングは認知拡大や新規顧客獲得を狙うには適したプロモーション方法ですが、思うような成果を得られず失敗してしまう事例もあります。

成功するためにも、失敗の原因にしっかり対処し、リスクを最大限に減らした上で企画を進めることが重要です。是非この記事がインフルエンサーマーケティングの成功につながればと思います。

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