近年SNSを利用して化粧品の認知拡大や販売促進を図る企業が増えてきました。
一方でインフルエンサーマーケティングをうまく活用できておらず、やみくもに動画配信をするだけで費用対効果が合わない企業も多くあります。
そこでこの記事では化粧品・コスメ会社がインフルエンサーマーケティングを実施するメリットや注意点、実際の成功事例をご紹介します。
化粧品・美容領域のマーケティング担当者はぜひ最後までお読みください。
・インフルエンサーによるプロモーション施策は認知拡大だけでなく、リテール営業などにも活用できる
・店頭での競合差別化などにインフルエンサーの投稿を活用することもできる
・一口に美容系インフルエンサーと言ってもさまざまなので商品特性を踏まえて誰に投稿してもらうかは精査する必要がある
施策内容や効果を知りたい方向けに化粧品会社のインフルエンサーマーケティング事例集をまとめました。ご興味のある方はぜひ無料ダウンロードしてみてください。
目次
化粧品会社におけるインフルエンサーマーケティングのメリットは?
多くの化粧品ブランドはインフルエンサーマーケティングを起用してSNSプロモーションを実施しています。
化粧品業界の企業がインフルエンサーを起用したプロモーションにより期待できる効果には、以下の3つがあります。
- 一般的な広告と同様に商品やサービスの認知拡大につながる
- リテールに取り扱ってもらうためのアピールになる
- 商品の使用感が伝わり購入の後押しになる
それでは具体的にこれらのメリットについて具体的にご紹介していきます。
メリット1:商品の認知拡大につながる
人気インフルエンサーがもともと持つ拡散力を利用し、多くのユーザー(特にインフルエンサーのファン)に商品の特徴や魅力を伝えることが可能です。
また、人気インフルエンサーの持つ影響力はとても強いため、特にTikTokなどの拡散力の強いSNSではフォロワー以外の潜在層へのリーチも見込めます。
このようにインフルエンサーを起用することにより、商品や企業の認知度が拡大すると考えられます。
メリット2:リテール(小売店)に取り扱ってもらうためにアピールになる
化粧品のEC化率は6%と低く、リテール(小売店)に自社商品を取り扱ってもらうことは、化粧品会社にとって重要なのではないでしょうか。
小売店も商品を店頭に置いた際にどのくらい売れそうかは気にするポイントですので、SNSなどのプロモーションによってどれだけの消費者に認知・注目を集められているか、は確認されるポイントです。
そのため、インフルエンサーを起用した商品の認知拡大はリテールに取り扱ってもらうための大きなアピールになると言えるのです。
メリット3:使用感が伝わるため商品購入の後押しになる
インフルエンサーマーケティングでは、リーチを見込めるターゲットの大半がインフルエンサーの持つフォロワー(ファン)になります。
自分の好きなインフルエンサーがオススメしている商品だからこそ、PR商品であっても信頼度が高く、「この人が紹介しているからきっと良い商品だ」「買ってみたい」「気になる」という風に購入の後押しになるパターンが多いと考えられます。
このようなパターンで消費者からのリーチを獲得できるのは、インフルエンサーマーケティングの特徴であると言えます。
化粧品会社が実際に実施したインフルエンサーマーケティング施策の内容や効果を事例を知りたい方はこちら。
【目的別】化粧品業界におけるインフルエンサーマーケティングの成功事例
続いては、化粧品業界におけるインフルエンサーマーケティングの成功事例をみてみましょう。冒頭で紹介した化粧品業界におけるインフルエンサーマーケティングを実施するメリットに合わせて、自社の支援実績の中で上手くいった事例を紹介します。
インフルエンサーマーケティングで商品認知拡大に成功した事例
SNSごとの媒体特性を踏まえた上で、潜在層にリーチしやすい配信アルゴリズムになっているTikTokでインフルエンサーマーケティングを実施。
動画コンテンツもターゲットであるメイク初心者や、化粧に興味を持ち始めた若い女性のリテラシーに合わせて、コンテンツを企画設計。わかりやすさを大切にコンテンツにしつつ、インフルエンサーの感想や使ってみた気づきも投稿にうまく載せてもらった結果、いいね数が1万を超える投稿も多数出ており、認知拡大に成功した施策と言えるでしょう。
小売店へのアピールにインフルエンサーマーケティングを活用した事例
続いてはSNSプロモーションを小売店での営業にうまく活用した事例を紹介させていただきます。2016年5月にブランドスタートした化粧品ブランドのジョイココはインフルエンサーを起用したプロモーションをうまく小売店への営業に生かして、販路拡大を進めています。
美容やメイク系に限らず幅広いジャンルのインフルエンサーに投稿を依頼し、投稿動画の構成やテンションの高低などのバリエーションを作り、SNS上で認知拡大施策を打ちました。
そうした認知拡大の成功事例を小売店への営業資材に反映して、取引先や小売店の方に向けた営業ツールとしても活用することで販路拡大を加速させています。
インフルエンサーマーケティングで店頭販売促進に成功した事例
SNS施策を打って、認知は広げられているはずなのに、店頭の売上は伸びない、という方も多いのではないでしょうか。ここでは、店頭の販売促進成功事例として、インターナショナルコスメティックス株式会社のespoirのプロモーション事例を紹介します。
1.リアルアイパレットでの話題作り
美容系パワーインフルエンサーをアサインし、Before/Afterのメイク動画で認知拡大を狙う
2.TikTok動画を店頭にて展開
パワーインフルエンサーの動画を店頭サイネージで配信し、棚において他の化粧品ブランドとの差別化を狙う
インフルエンサーの投稿による認知拡大だけでなく、店頭にサイネージを設置して化粧品のPR動画を配信することで販売促進を含めたプロモーション設計を実現しました。
施策実施期間の店頭での売上は2倍以上を記録することもあり、店頭の販売促進をできた事例と言えます。
上記以外にも化粧品会社が実施したインフルエンサーマーケティング施策の内容や効果をみてみたい方はこちら。
ご紹介したインフルエンサーマーケティング事例の詳細は以下にまとまっています。
認知拡大を目的にしたTikTokの動画投稿事例|潜在層向けの「わかりやすいPR」とは?
インフルエンサーの言葉で商品の魅力を伝える|認知拡大を目的にしたTikTokの動画投稿事例
認知拡大だけじゃない?SNSプロモーションで店頭の販売促進も実現したTikTokの動画投稿事例
美容系・コスメ系のインフルエンサーにはどんな人がいる?
続いて、実際に美容系インフルエンサーとして活躍している人をご紹介します。
イガリシノブさん
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/igari_shinobu/?hl=ja
フォロワー数:約34万人(2022年3月)
メイクアップアーティストとしてテレビにも取り上げられるほど有名な美容系インフルエンサーです。
イガリシノブさんの投稿では、文字入れ投稿やビフォーアフター投稿など、一目でどんな投稿内容かわかりやすいものが多く、ユーザーの目を引きやすい工夫がなされていますね。
「イガリメイク」としてイガリさんのメイク術はとても人気なため、使用しているコスメにも注目が集まります。
濱田あおいさん
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/aoihamada/
フォロワー数:約5.8万人(2022年3月)
フリーのモデルとして活躍中の濱田あおいさんは、メイクの腕や可愛いビジュアルがとても人気です。
新作やトレンドのコスメの紹介が多く、日々、トレンド商品を知ることができます。
ずぅさん
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/xxizumiiixx/?hl=ja
フォロワー数:約3.9万人(2022年3月)
ずぅさんは働きながら子育てもこなすインスタグラマーさんです。子育てや仕事に忙しいときに役立つ時短メイクが話題になっています。
どこのパーツにどの化粧品を使用しているかを画像上で紹介している投稿が多く、商品を使用した際の実際の仕上がりを載せているため、商品の使用感をイメージしやすい投稿になっていますね。
ずぅさんと同じような境遇のママさんにとても人気です。
上記以外にも化粧品会社が実施したインフルエンサーマーケティング施策の内容や効果をみてみたい方はこちら。
化粧品会社がインフルエンサーマーケティングを実施するにあたり押さえておきたいSNSの違い
化粧品会社がインフルエンサーマーケティングを実施する上で、利用するプラットフォームごとにどんな違いがあるのでしょうか?
特徴や事例についてご紹介していきます。
Instagramで商品特徴やテクスチャーを画像投稿して検索対策しよう
Instagramは「画像投稿」を中心としたSNSです。トレンドに敏感である若者の利用者が多く、ハッシュタグから検索してトレンドのキャッチや欲しい情報を収集しているユーザーがとても多いです。
文字数に制限がないため、文章で商品をより詳しく解説することもできます。
Instagramでの成功事例
【Dior×古川貴絵さん】
若い女性から人気を集める女性誌ViViの公認インフルエンサーである古川貴絵さんがコスメの商品を紹介すると、彼女にあこがれを抱く若い女性から商品への質問が殺到し、発売前にもかかわらず大きな反響を呼びました。
実際にこちらの投稿も2022年3月時点で4,300件以上ものいいねを獲得しており、大きな反響を呼んでいることが分かりますね。
YouTubeは動画投稿がメインで詳細な商品紹介におすすめ
YouTubeでは人気のユーチューバーを起用し、実際に商品を使用してもらい、感想やレビューをしてもらうといった形での活用方法になります。
より消費者目線に近く、商品のテクスチャーや色味などを詳細に消費者へ伝えることが可能です。
様々あるプラットフォームの中で、最も商品の魅力を詳細に伝えることが可能なため、詳しく商品の説明をして、購入への後押しや決定打となるようなクリエイティブにしたい場合は、YouTubeの利用がおすすめです。
YouTubeでの成功事例
韓国発の人気基礎化粧品ブランド・ナンバーズインを運営する「株式会社Benow」は、韓国好きで知られるインフルエンサーのあゆたび / ayu tabiさんを起用し、同じく韓国好きの若い女性を中心としたチャンネル登録者へアプローチしています。
商品と親和性の高いユーザの興味を引く工夫がなされているコンテンツを配信することで、より高いリーチが見込めます。
こちらの実際の動画では2022年3月時点で、110万回再生を記録。「使ってみようかな」「買ってみます」などの好評なコメントが数多く寄せられています。
Twitterは拡散力が高いので、フォロワー以外の幅広い層にリーチできる
Twitterは他のSNSに比べても高い拡散力を誇り、Twitter上で話題になる投稿のほとんどはインフルエンサーが関与しています。
#ハッシュタグ、RT(リツイート)、シェアを通じて瞬間的に拡散されるため、より多くの人へのアプローチが可能です。
「とにかく商品の認知度を上げたい!」という企業にはおすすめです。
Twitterでの成功事例
本田ユニさんと株式会社資生堂が展開するコスメブランド「マジョリカ マジョルカ」から販売されている商品「ミルキースキンマスク」のタイアップ投稿では、消費者の知りたい情報をシンプルにまとめています。
このPRツイートは3.9万いいね、5,350以上のリツイートという驚異の宣伝効果をもたらしています。
これ1本で化粧水、乳液、保湿マスク、トーンアップ、化粧下地の1品5役を兼ね備えているマジョリカマジョルカのミルキースキンマスク、使うと肌が潤ってファンデのノリが良くなるし保湿もできてこれからの季節にぴったり…
— 本田ユニ (@hondayuni) November 13, 2019
PU:ブルベ向け(NEW!)
GR:イエベ向け
とPCで品番選べるのも良い🙆♀️#PR pic.twitter.com/AWExRXcngZ
TikTokは動画投稿で潜在層にもリーチしやすい配信アルゴリズム
TikTokは15秒~1分程度の単尺動画が再生されるため、投稿された動画の完全視聴率が高くなりやすいです。
また、動画がおすすめフィードから流れてくるため、メイク方法の解説動画などで商品を紹介して貰えばPR感が少ないコンテンツを作れるでしょう。
さらに、配信の仕組みが他と異なるのもTikTokの特徴で潜在層にリーチしやすい配信アルゴリズムになっています。
広告でないと自社サイトへのリンクの設置などはできませんが、「TikTok売れ」という言葉があるように店頭での販売促進などには向いているSNSと言えるでしょう。
潜在層へのリーチ獲得を狙っている場合はTikTokの利用が効果的です。
TikTokでの成功事例
美容系TikTokerであるありちゃんさんは、パーソナルカラーアナリスト・顔タイプアドバイザー1級・日本化粧品検定2級といった正式な資格を多く持ち知識が豊富であることから、ありちゃんさんが紹介するコスメの正直レビューはとても参考になります。
このような信頼性のあるTikTokerに依頼してPRした商品は、購買欲が促進されると考えられます。
化粧品会社がインフルエンサーマーケティングを実施する前に知っておきたい注意点
インフルエンサーマーケティングはこれまで紹介したメリットがあるマーケティング手法ですが、注意すべき点もあるので、いくつかご紹介します。
美容系のインフルエンサーを起用する
「実際に予算をかかけてお願いはしたが、親和性の高いインフルエンサーに依頼する事ができず、効果的な認知拡大に繋がらなかった」ということも起こりうるので、せっかく予算をかけて起用するのであれば、親和性の高い美容・コスメ系インフルエンサーに依頼するようにしましょう。
インフルエンサーとのコミュニケーションをこまめにとる
動画の投稿依頼はしたものの、進行がスムーズにいかないと、希望の投稿日に投稿ができないという事態になってしまいます。
さらに、妥協したクオリティになってしまうといったこともありえるので、インフルエンサーとの連携はスムーズに行いましょう。
また、 特にマイクロインフルエンサーは個人でやっている(事務所所属では無い)ことが多いので、依頼してお金を払っても逃げられてしまう可能性があるので、注意する必要があります。
ステマにならないようPR投稿とわかるハッシュタグをつけよう
インフルエンサーマーケティングではステマによる炎上や問題が特に増えるプロモーション方法です。
インフルエンサーとの相互のコミュニケーション不足により起こるステマや結果だけを求めて意図的にステマを行う企業もあります。
どちらにせよ、ばれた場合には企業はもちろんインフルエンサーや関わっている人すべてに半永久的に悪いイメージが定着し今後の活動に悪影響を及ぼすことになるのでくれぐれもステマにはきをつけるようにしましょう。
インフルエンサーへの依頼方法やインフルエンサーマーケティングの失敗事例や注意点は以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
この記事では、コスメ業界におけるインフルエンサーマーケティングとはどんなものかについて紹介しました。
効果や成功事例、起用にお勧めな美容系インフルエンサーも紹介しているので是非参考にしてみてください。
インフルエンサーマーケティングの関連記事もぜひお読みください。